「木の芽チリメン」について
木の芽(山椒の若葉)の佃煮を煮ながら「この摘んだばかりの木の芽の香りを残せないか…」といつも考えていました。長時間加熱することで香りが飛んでしまうのです。しかし、短時間で仕上げると香りは残るのですが、木の芽が団子状に固まり、繊維が残って舌触りがとても悪いのです。
そんなあるとき、京都の「チリメン山椒」からヒントを得たのです。チリメンジャコの中に硬い山椒の実が入っているのに、実の硬さが気になりません。木の芽をチリメンジャコと同じ程度の硬さに仕上げれば、木の芽の繊維は気にならないのではないか…。早速試作したところ、緑色の木の芽の香りが高く残り、加熱時間が少ないにも関わらず繊維は気になりません。成功です!!
京都の「チリメン山椒」より 木の芽 が多い チリメン なので「木の芽チリメン」と名付けました。
深野 俊昭
木の芽チリメンの作り方
◇ 材料
素材 |
分量 |
木の芽(山椒の若葉) |
100g |
チリメンジャコ |
100g |
日本酒 |
150ml |
ダシの元 |
適量(多めに) |
醤油 |
40ml |
砂糖 |
小1/2 |
◇ 作り方
1. 分量のチリメンジャコを鍋でパチパチと音がするまで乾煎りする。
2. 日本酒を注ぎ、蓋をして中火で数分間加熱蒸らす。(チリメンジャコが軟らかくなる)
3. ダシの元(粉末でも濃縮液体でも可)、醤油、砂糖を加え、木の芽を上に乗せ、蓋をして強火で1分ほど蒸らす。
4. 強火のまま、箸で木の芽をチリメンジャコに手早く混ぜ込むようにしながら、汁気が無くなるまで加熱する。(全体に熱を通すようにする。加熱時間が長いと香りが飛ぶ。)
5. バットなどに広げて急速に冷やすと艶が出る。
◇ コツ
1. 木の芽は、柔らかいものを…。芽が開いてから1週間から2週間までの間の芽が適切。あまりに若い芽は香りが少ない。育ちすぎで少々硬くなったものは刻むと良い。3週間以上のものは刻んでも強くて煮ることができない。
2. チリメンジャコは、しっかりと乾煎りする。(雑魚の臭みが消えると同時に香ばしさが出る)
3. 仕上がりの硬さは、日本酒の量と4項の加熱時間で決まる。水分が多いとカビ易い。
4. ダシは粉末か濃縮タイプが良い。多いかな…と思うほど入れた方が美味しい。
5. チリメンジャコの塩分によって醤油の量を調節する。
6. 砂糖が多いと、艶が出るが仕上がりが硬くなる。(好みで…)
7. 仕上げは、必ず強火で…。醤油の焦げが美味しさを引き立てる。← これが一番のポイント。