「木の芽チリメン」について

木の芽(山椒の若葉)の佃煮を煮ながら「この摘んだばかりの木の芽の香りを残せないか…」といつも考えていました。長時間加熱することで香りが飛んでしまうのです。しかし、短時間で仕上げると香りは残るのですが、木の芽が団子状に固まり、繊維が残って舌触りがとても悪いのです。

そんなあるとき、京都の「チリメン山椒」からヒントを得たのです。チリメンジャコの中に硬い山椒の実が入っているのに、実の硬さが気になりません。木の芽をチリメンジャコと同じ程度の硬さに仕上げれば、木の芽の繊維は気にならないのではないか…。早速試作したところ、緑色の木の芽の香りが高く残り、加熱時間が少ないにも関わらず繊維は気になりません。成功です!!

京都の「チリメン山椒」より 木の芽 が多い チリメン なので「木の芽チリメン」と名付けました。

深野 俊昭

木の芽チリメンの作り方

材料

素材

分量

木の芽(山椒の若葉)

100

チリメンジャコ

100

日本酒

150ml

ダシの元

適量(多めに)

醤油

40ml

砂糖

1/2

 

作り方

1.    分量のチリメンジャコを鍋でパチパチと音がするまで乾煎りする。

2.    日本酒を注ぎ、蓋をして中火で数分間加熱蒸らす。(チリメンジャコが軟らかくなる)

3.    ダシの元(粉末でも濃縮液体でも可)、醤油、砂糖を加え、木の芽を上に乗せ、蓋をして強火で1分ほど蒸らす。

4.    強火のまま、箸で木の芽をチリメンジャコに手早く混ぜ込むようにしながら、汁気が無くなるまで加熱する。(全体に熱を通すようにする。加熱時間が長いと香りが飛ぶ。)

5.    バットなどに広げて急速に冷やすと艶が出る。

 

コツ

1.    木の芽は、柔らかいものを…。芽が開いてから1週間から2週間までの間の芽が適切。あまりに若い芽は香りが少ない。育ちすぎで少々硬くなったものは刻むと良い。3週間以上のものは刻んでも強くて煮ることができない。

2.    チリメンジャコは、しっかりと乾煎りする。(雑魚の臭みが消えると同時に香ばしさが出る)

3.    仕上がりの硬さは、日本酒の量と4項の加熱時間で決まる。水分が多いとカビ易い。

4.    ダシは粉末か濃縮タイプが良い。多いかな…と思うほど入れた方が美味しい。

5.    チリメンジャコの塩分によって醤油の量を調節する。

6.    砂糖が多いと、艶が出るが仕上がりが硬くなる。(好みで…)

7.    仕上げは、必ず強火で…。醤油の焦げが美味しさを引き立てる。← これが一番のポイント。